薪まゆげの忘備録

頭のどこかで常に焚き火を想う

お気に入りのチタン製品にDIYで名入れ! 陽極酸化処理

チタンといえば軽量で頑丈、おまけに錆びにくいアウトドアツールの素材として最高級の物。

ステンレス製の物に比べるとお値段が高くなる代わりにかなり軽くなる。

そんなチタンだが、酸化すると色が変わるという特殊な性質を持つ。

ただ焼け色(茶色系)がつくというわけではなく、カラフルに発色するのだ。

ベルモント(Belmont) カラーエンボスチタンカップM MP111スノーピーク(snow peak) カラーチタンシングルマグ 450 (グリーン)

 

 

発色させるのは意外と簡単で、バーナーなどで熱してあげればできる。

温度や時間などで色が変わる。

これを酸液と電気で行うのが陽極酸化処理。

バーナーなど熱で酸化させる方法と違い、マスキングすることで任意の部分のみ発色させることができる。

 

今回はこの特徴をつかって、チタン製品の名入れを試してみたいと思う。

(注意!この先行う陽極酸化処理は電気を使って行うものであり、感電の危険があります。この記事のやり方をそのまま実施知れば安全というものでもなく、電気的な知識がない人が実施するのは危険です。場合によっては感電死する可能性もあるので感電対策を考えられる知識を持った人以外行わないでください。)

 

使うものは

チタン製品

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モンベルチタンシェラカップ

リン酸ナトリウム

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9V電池とワニ口クリップ

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ラバースプレー

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低電圧用絶縁手袋

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あとは名入れ用のシールとタッパー、アルミホイルを使う。

 

まずは名入れしたい文字のシールをシェラカップに貼ります。

(シェラカップは事前にしっかり脱脂洗浄しておきます)

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今回はFを底面に貼ってみた。

これでも文字がマスキングされるのだが、これだと文字以外の部分に色がついてしまう。

今回は文字の部分だけに色を付けたいのでこれではだめ。

 

なので次にこの上からラバースプレーを吹く。

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シェラカップには取っ手と本体をつないでいる部分に隙間があって、ここにラバースプレーが入ると取れなくなるので、マスキングテープでふさぐ。

(ついでにシールをはがしやすくするために紙を接着剤でくっつけて取っ手にしてみた)

そしたらラバースプレーで塗装。

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本来一回で厚塗りするとムラになり良くないのだが、今回はマスキングのために吹いているだけなので、一回で厚塗りしても大丈夫。

塗れてればいいのだ。

全体にスプレーがついたら乾く前にシールをはがす。

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とりやすくするためにつけた紙は簡単にはがれてしまい役に立たなかった・・・

 

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しょうがないのでカッターで端を持ち上げて剥がした。

縁が若干荒れてしまったが、なかなかきれいにマスキングできている。

前にマスキングゾルというプラモデルなどの塗装用水性マスキング液を使用したときはこんなにうまくはいかなかった。

 

あとは乾燥させてマスキングは完了。

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あとは実際に陽極酸化処理を行っていく。

まずはタッパーにリン酸ナトリウムを適当に入れて、水を入れる。

そして陰極側の電極としてアルミホイルを入れる。

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ここに電池とワニ口、シェラカップを配線する。

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9V電池を4本直列でつないでいるので36V流れるはず。

陽極酸化処理は陽極側を酸化させる処理なので、色を付けたいシェラカップは+、アルミホイルはーを接続する。

9V電池は+とーの電極が同じ方向に出ているので非常にショートしやすい。

このあたりの作業から絶縁手袋をつけて作業。

 

これで準備は完了。

あとはタッパー内のリン酸ナトリウム水溶液にシェラカップをつけるだけ。

つけると微小な音とシェラカップ側に気泡が発生する。

(両手使って作業していたので写真が撮れていません・・・)

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20秒ほどつけて引き上げてみると、微妙に色がついているように見える。

ただ、周りの黒が強すぎていまいちどの程度色がついているのかわかりにくい。

一通り洗った後マスキングを剥がす。

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ラバースプレーなので引っ張って剥がすことができる。

普通の塗料と違って非常に剥がしやすい。

 

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剥がしてみると結構きれいに色がついている。

過去にマスキングゾルで処理したときは水性のために処理中にマスキングがとけてしまい、文字がぼけてしまっていたが、今回はエッジがはっきりしている。

 

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マスキングゾルでマスキングした時の文字

 

今回ラバースプレーを使った文字入れに挑戦してみたが、思いのほかうまくいった。

これで名入れサービスのないチタン製品に自由に名入れをすることができる!

これはいろいろ遊べそうだ。