薪まゆげの忘備録

頭のどこかで常に焚き火を想う

煙突効果とは? 煙突効果をグラフ化してみる

「煙突効果」といえばキャンプで焚き火をする人なら1度は聞いたことがある言葉だと思う。

原理もなんとなく理解しているつもりでいるが、果たして正しいのだろうか?

 

薪まゆげの考える煙突効果

・煙突内外の温度差により煙突上部に対して上昇気流が発生する。

・煙突下部は負圧になり吸気される。

・煙突は長くすると吸気が強くなる。

・煙突を太くすると吸気が強くなる。

・煙突を断熱すると吸気が強くなる。

 

ざっとこんな感じだろうか。

 

正しいのか確かめるために煙突効果について調べてみるとWikipediaに式があった。

 

ja.wikipedia.org

 

だが式だけ見ても数学が苦手な薪まゆげには直感的に理解できない。

ここはエクセル先生の出番だ。

 

エクセルに式と条件を入力してグラフにしてみようと思う。

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こんな感じ



他のパラメータを一定にして、煙突内平均温度のみ変えてみると

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煙突内温度の変化と吸気速度

煙突内温度が上がると吸気速度が上がることがわかる。

ただ、上がり方は200度あたりまでは急激に上がりそのあと徐々になだらかになっていく。

 

次は煙突の長さ

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煙突長さの変化と吸気速度

こちらも非線形ではあるけど、だいぶなだらかなグラフ。

やはり煙突は長い方が吸気されるようだ。

(煙突を伸ばしても煙突内の平均温度が下がらないということはないはずなので実際にはこんなにきれいに吸気速度は上がらないと思われるが・・・)

 

最後に煙突断面積

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煙突断面積の変化と吸気速度

式を見れば当たり前なのかもしれないが、完全な線形で上がっていく。

ただ煙突を断面積で把握している人も少ないと思うので煙突径でグラフにしてみる。

 

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煙突直径の変化と吸気速度

今までと逆方向の2次曲線。

煙突直径が一番吸気速度に影響するようだ。

 

Kamado薪ストーブがよく燃えるのはアウトドア用薪ストーブが一般的に使っているΦ60の煙突ではなくΦ90Φ98(内径)の煙突を使っているからなのだろう。

だから煙突が短くてもOKなのだ。

 

おおよそ認識が正しかったことは分かった。

ただ、グラフを見ると

・温度は上げすぎてもあまり効果はない

・煙突は長さより断面積の方が効果が高い

といった発見もあった。

 

今度実際の薪ストーブでも実験出来たらいいなと思う。